この記事は、正規の消費者金融やカードローンで断られて、掲示板やSNSで個人から借りられないかと探している人に向けて書いています。もう書き込んだ人、DMを送った人、借りてしまった人にも、途中から読める作りにしています。
私は消費者金融の回収部門に十数年いました。貸す側が何を考えて動くかは、毎日見てきました。掲示板の「個人」も、貸す側である以上、同じ損得勘定で動いています。そこから逆算すると、相手が次に何をしてくるかはかなり読めます。
結論から書きます。
結論:掲示板で見知らぬ人に貸す「個人」は、法律上も商売の上でも、ほぼ業者です
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 個人間融資は合法か | 個人であっても、反復継続する意思をもってお金を貸せば、貸金業法の「貸金業」に当たり、国か都道府県の登録が必要です(金融庁)。登録なしで貸すことも、不特定多数が見るSNSなどで「お金を貸します」と書き込んで勧誘することも、罰則の対象です |
| 貸し手は本当に個人か | 金融庁、国民生活センター、日本貸金業協会は、個人を装ったヤミ金融業者による違法な高金利の貸付けがあると注意を呼びかけています |
| どんな被害があるか | 政府広報オンラインは代表的なトラブルとして、①法外な利息 ②保証金のだまし取り ③性的な関係の要求(ひととき融資) ④免許証の画像や顔・体の写真をネットにさらされる、の4つを挙げています |
| 借りる側も罪になるか | 借りたこと自体を罰する規定は、貸金業法・出資法にはありません。ただし、通帳やキャッシュカード、口座の情報を渡すと、犯罪収益移転防止法に触れるおそれがあります |
| 今日やること | まだなら:送らない、払わない、会わない。もう連絡したなら:やり取りを消さずに残し、警察(#9110)、法テラス(0570-078374)、消費者ホットライン(188)のどれかに電話する。脅されている、身の危険があるなら110番 |
まず落ち着いてください。国民生活センターは2019年の時点で、SNSや掲示板サイトを通じた個人間融資の相談が全国の消費生活センターに寄せられていると公表しています。あなただけが特別に危ない目に遭っているわけではありません。そして、どの段階からでも、止める手順はあります。
あなたは今どの段階にいるか
当てはまる行を探して、右の列の見出しに進んでください。
| 今の状況 | 先に読む見出し |
|---|---|
| まだ書き込んでいない、連絡もしていない | 「掲示板の貸し手は何で稼いでいるのか」「書き込みと要求で見分ける」 |
| 書き込んだ、またはDMを送った。返事が来ている | 「連絡してから起きること:段階ごとの時系列」 |
| 身分証や顔写真、勤務先・家族の連絡先を送ってしまった | 「状況別:すでに渡してしまったものへの対処」 |
| 保証金や手数料を先に払ってしまった | 同上 |
| 写真を送ってしまった、さらすと言われている | 同上。脅されているなら、読むより先に警察(#9110)へ |
| 借りてしまい、返済日が近い、または遅れている | 「借りてしまった人が今日からやること」 |
ここから先は、順番に見ていきます。
なぜ「個人」と名乗るのか:法律上は名乗っても何も変わらない
金融庁の注意喚起には、こう書かれています。
「個人であっても、反復継続する意思をもって金銭の貸付けを行うことは、貸金業法上の『貸金業』に該当します。」
貸金業法2条は、貸金業を「金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介」で「業として行うもの」と定めています。会社か個人かは関係ありません。同じ11条は、登録を受けない者が貸金業を営むことを禁じ、さらに登録のない者が「貸金業を営む目的をもつて、貸付けの契約の締結について勧誘をすること」も禁じています。金融庁は、不特定多数が見るSNSなどで「お金を貸します」「融資します」と書き込んで契約を勧めることは、この勧誘に当たるおそれがあるとしています。
| 行為 | 条文 | 罰則(条文上の上限) |
|---|---|---|
| 登録なしで貸金業を営む | 貸金業法11条1項 | 10年以下の拘禁刑もしくは3,000万円以下の罰金、または両方(47条) |
| 登録なしで、貸金業の広告をする、貸付けの契約を勧誘する | 貸金業法11条2項 | 2年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または両方(47条の3) |
条文は2026年11月8日にe-Gov法令検索で確認しました。罰則は改正されることがあるので、ご自身のケースへの当てはめは弁護士に確認してください。金利の上限や、闇金全体の定義と条文の一覧は、別の記事にまとめています。

では、法律上の意味がないのに、なぜわざわざ「個人」と名乗るのか。貸す側の都合で考えると、理由は二つです。
- 警戒を下げるため。「業者」と書けば闇金を疑われます。「個人」と書けば、困っている人を見かねた親切な誰か、に見えます。借りる側が登録の有無を調べる発想そのものを消せます
- 「個人だから登録はいらない」と思わせるため。借りる側が「登録業者か」を確かめないまま話を進めてくれれば、貸す側は確認される心配をせずに済みます
本物の善意の個人が、掲示板で長く貸し続けられない理由
回収の側にいた人間として、ここははっきり書いておきます。見知らぬ人にお金を貸して、返ってこなかったとき、貸した側が取れる手は多くありません。
正規の貸金業者は、年15〜20%という上限の中で、審査、信用情報の照会、督促、最後は裁判という回収の仕組みをそろえて、ようやく貸し倒れの損をまかなっています。それでも返せなさそうな人には貸しません。回収にかかるコストが、取れる利息を上回るからです。
掲示板の「個人」には、この仕組みがありません。相手の信用情報は見られない。勤務先も本当かどうか分からない。数万円を取り返すために裁判を起こせば、費用と手間のほうが高くつきます。この条件で、正規の業者に断られた人ばかりを相手に貸し続ければ、普通の利息では必ず赤字になります。
だから、掲示板で貸し続けている「個人」は、次のどれかで帳尻を合わせています。
- 貸し倒れの損を、法律の上限をはるかに超える利息で先に取る
- 最初から貸さずに、保証金だけを取る
- お金以外のもの(性的な見返り、写真、個人情報、口座)で回収する
これは構造です。相手の人柄の問題ではありません。善意だけで見知らぬ人に貸す個人がいたとしても、その人は貸し倒れが重なって、すぐに掲示板からいなくなります。残るのは、帳尻を合わせる別の手段を持っている側です。
なぜ掲示板を使うのか:借りたい人が「自己申告」してくれるから
国民生活センターの相談事例には、こういうものがあります。生活費が足りず、他から借りられなかったため、個人間融資の掲示板サイトに「お金を貸してほしい」と書き込んだ。返事をしてきた人と直接会って計15万円を借りた。50万円以上返したが、さらに400万円を払うよう連絡が来た。相手は自分の住所を知っている(2018年7月受付・50歳代男性)。
貸す側から見ると、「貸してください」の書き込みは、お金に困っていて、正規では借りられず、知らない相手からでも借りるつもりがある人の、自己申告の一覧です。地域や金額、急ぎの度合いまで本人が書いてくれます。貸す側は、その中から都合のいい相手を選んで声をかけるだけで済みます。審査にお金も手間もかけずに、狙う相手を絞れるということです。
掲示板は貸す側にとっても使い勝手がいい場所です。警察庁の資料には、インターネット上の掲示板を集客媒体として融資を勧誘し、全国の客約50人に法定利息の約11倍から約85倍で貸し付け、返済を他人名義の口座に振り込ませるなどして、元利金合計約2,337万円を受け取ったとして、無登録営業と出資法違反(高金利受領等)で検挙された事例が載っています(神奈川・令和4年11月までに検挙)。掲示板で集めて、他人名義の口座で受け取る。顔も本名も出さずに商売が回る形です。
掲示板の貸し手は何で稼いでいるのか:4つの被害の型
政府広報オンラインが挙げている代表的なトラブル4つを、貸す側の都合と並べます。相手がどれで稼ぐつもりかが分かると、次の要求が予測できます。
| 被害の型 | 公的資料に載っている内容 | 貸す側の都合 |
|---|---|---|
| ①法外な利息 | 「10日で3割」といった利息を求められることがある(政府広報)。15万円の融資を頼んだら「総額100万円を超す返済額になる」と言われた事例(国民生活センター) | 貸し倒れの損と、回収の手間を、利息で先に取る |
| ②保証金のだまし取り | 100万円の融資の話で、保証金として5万円を払ったあと、連絡が取れなくなった事例(国民生活センター・2019年2月受付・20歳代女性) | 一円も貸さずに儲かる。貸し倒れの心配がゼロ |
| ③性的な関係の要求(ひととき融資) | 利息を免除する代わりなどとして、性的な関係を求められることがある(政府広報)。利息免除を条件に下着姿や裸の写真を送ったが、融資は受けられず、連絡も途絶えた事例(国民生活センター・2019年2月受付・30歳代女性) | お金以外のもので「回収」する。写真はそのまま脅しの材料にもなる |
| ④個人情報をネットでさらされる | 借りる条件として差し出した運転免許証の画像や顔・体の写真が、返済したとしてもネットでさらされることがある(政府広報) | 裁判を使えない代わりの「人質」。さらす、と言えば自分から払ってくれる |
表の②と③を見てください。どちらも、お金を貸していません。掲示板の貸し手にとって、一番安全で儲かるのは「貸さないこと」です。保証金なら、貸し倒れが起きようがありません。写真を受け取ってから連絡を断てば、相手は恥ずかしさから警察にも行きにくい。そういう計算です。
日本貸金業協会は、保証金について「正規の貸金業者が融資を前提に金銭の支払いを要求することはありません」と明記しています。SNSの投稿で勧誘して、保証金などの名目で電子マネーへのチャージや振込をさせ、融資をしないまま連絡を絶つ手口も紹介しています。融資の前に一円でも払えと言われた時点で、その話は終わりにしてください。
数字で見ると、利息はどのくらい異常か
国民生活センターの事例をもう一つ挙げます。SNSで「個人で融資します」という書き込みを見て、60万円の融資を申し込んだ。相手から「まず2万円を銀行口座に振り込むので、そのままこちらへ振り込んで返してほしい。そこで審査をする」と言われ、口座などの個人情報を伝えた。やめたいと伝えると「すでに1万円を振り込んだので、1週間後に3万円を返すように」と言われた(2018年7月受付・20歳代男性)。
| 事例 | 借りた(とされる)額 | 求められた額 | 年利に直すと(単純計算) |
|---|---|---|---|
| 正規の上限(元本10万円未満は年20%)で1万円を1週間 | 1万円 | 約1万38円 | 20% |
| 上の事例(1万円で1週間後に3万円) | 1万円 | 3万円 | 約10,400% |
| 政府広報が挙げる「10日で3割」 | — | 元本の1.3倍 | 1,095% |
年利は「期間の利率÷日数×365」で計算しています。この事例では、申し込んだ60万円は一円も届かないまま、届いたかどうかも分からない1万円に3万円を請求されています。しかも「そのまま振り込んで返して」という最初の指示は、本人に審査と思わせながら、口座が実際に使えるか、言われたとおりに動く人かを確かめる手順にもなっています。ここで相手のペースに乗ると、相手は次の要求を出しやすくなります。
書き込みと要求で見分ける:何を言われたら、何を狙われているか
掲示板やSNSの書き込みには、型があります。国民生活センターが資料に載せた、個人間融資をうたう投稿のイメージ図は「全国対応」「即日融資」「完全個人で融資してます」「基本的にどなたでも融資可能です」「気軽にDMください」という言葉で組まれています。金融庁のポスターにも「お金貸します」「♯個人間融資」「♯即日融資」「初回1万円~」が並んでいます。
| 書き込みの言葉 | 貸す側の本当の意味 |
|---|---|
| 「完全個人」「個人で融資」 | 登録を確かめさせないための看板。法律上は、個人でも反復して貸せば貸金業 |
| 「どなたでも」 | 審査をしない。その代わり、利息か、お金以外のもので回収する |
| 「即日」「スピード融資」 | 考える時間と、誰かに相談する時間を与えない |
| 「全国対応」 | 会わずに済む相手を全国から集める。逆に「近くなので会える」と言われたら、それはそれで別の狙いを疑う |
| 「DMください」「LINEで」 | 掲示板の外、人目のない場所でやり取りしたい |
連絡したあとに求められるものは、さらに分かりやすく相手の狙いを表しています。
| 求められるもの | 相手の説明 | 貸す側の本当の用途 |
|---|---|---|
| 運転免許証などの画像、身分証を持った自撮り | 本人確認、審査のため | 払わなかったときにさらす材料。名簿として売られる心配もある |
| 顔写真、体の写真、下着姿や裸の写真 | 利息を安くする、免除する条件 | 回収の代わり、または脅しの材料。返しても消えない |
| 勤務先、家族、友人の連絡先 | 念のため、連帯保証の代わり | 返済が遅れたときに「連絡する」と言うための材料 |
| 保証金、手数料、審査料(振込、電子マネーのチャージ) | 信用の確認、事務手数料 | それ自体が目的。払ったあとに連絡が途絶える型 |
| 口座番号と暗証番号、キャッシュカードや通帳、スマホ | 返済の引き落としのため、担保として | 他人名義の口座や電話は、闇金の商売道具。渡すとあなた自身が法律に触れるおそれがある |
| 直接会うこと | 手渡しで早く、確実に | 住所を知る、性的な関係を求める。国民生活センターの事例でも、会って借りた人が「相手は自分の住所を知っている」と相談しています |
口座・カード・携帯電話を渡すと、あなたが罪に問われうる
ここは、借りる側が自分から被害者の立場を失いかねない部分なので、別に書きます。
犯罪収益移転防止法は、他人になりすまして預貯金の取引をすることなどを目的としていると知りながら、預貯金通帳やキャッシュカード、引出しや振込に必要な情報を渡すことを禁じています。正当な理由なく有償で渡すことも同じ扱いです。罰則は3年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、または両方です(2026年11月8日にe-Gov法令検索で確認した現行条文では26条。この法律は改正が続いていて、今後も条番号や中身が変わる予定があります)。
警察庁は、貸金業に関連した犯罪収益移転防止法違反や携帯電話不正利用防止法違反を「ヤミ金融関連事犯」として数えています。令和6年に検挙されたヤミ金融関連事犯は569事件で、無登録営業・高金利の事犯(70事件)よりはるかに多いのが実情です(警察庁「ヤミ金融事犯の検挙状況」令和7年10月)。相手が「返済の代わりに口座を貸して」「スマホを契約して渡してくれれば利息はいらない」と言ってくるのは、闇金にとって口座と電話がそれだけ足りない道具だからです。
ここで多くの人が折れます。返せない、でも口座を渡せば帳消しにすると言われた。お金を返すより楽に見えます。ですが、その時点であなたは借金の被害者から、犯罪の道具を渡した人に変わってしまうおそれがあります。すでに渡してしまった人は、そのことも隠さずに、警察か弁護士に相談してください。
連絡してから起きること:段階ごとの時系列
以下は、公的資料の事例と、貸す側の都合から組み立てた典型的な流れです。相手によって順番も早さも違います。自分が今どの行にいるかを確かめる目安にしてください。
| 段階 | 相手がよくやること | 相手の都合 | この段階でやること |
|---|---|---|---|
| 書き込み・DMの当日 | すぐに返事が来る。「すぐ貸せる」「誰にも知られない」と言う。LINEなど別の連絡手段に移るよう求める | 考える時間を与えたくない。人目のない場所に移したい | この時点なら、返信しないだけで終わります。書き込みは削除する |
| 「審査」と称するやり取り | 身分証の画像、自撮り、勤務先・家族の連絡先、口座情報を求める | 払わなかったときの材料を先に集める | 送らない。すでに送ったなら、何を送ったかを紙に書き出す |
| 振込の前 | 保証金、手数料、審査料を求める。写真や会うことを条件にする | 貸さずに取れるものを先に取る | 払わない、送らない、会わない。やり取りはスクリーンショットで残す |
| 振込 | 利息を差し引いて振り込む。頼んでいない額が振り込まれることもある | 先に利息を取れば、貸し倒れの損が減る | 身に覚えのない入金は使わずに、警察か弁護士に相談する |
| 返済日の前後 | 「利息だけでいい」と先送りを勧める。払わないと連絡が増える | 元本を返されるより、利息を払い続けてもらうほうが得 | 払う前に、法テラスか弁護士・司法書士に電話する |
| 遅れて数日 | 家族や勤務先への連絡、写真や身分証をネットに出すことをほのめかす | 裁判を使えないので、恥と恐怖で自分から払わせる | 脅しの文面を保存し、警察(#9110)へ。別の個人間融資で穴埋めしない |
| 実際にさらされた、家に来た | 掲示板やSNSへの投稿、自宅への訪問 | 他の客への見せしめ | 身の危険があれば110番。投稿はURLと画面を保存してから警察に相談 |
| 専門家や警察が入った後 | 連絡が減る、アカウントを消すなど、相手によって反応はさまざま | 回収できる額より、身元を調べられる危険のほうが大きくなる | 相手から直接連絡が来ても応じず、依頼した専門家か警察に伝える |
表の上の3行は、まだ一円も借りていない段階です。この段階で起きる被害は、保証金、写真、身分証です。つまり、借りる前に被害が始まります。「借りてから考えよう」は、この相手には通用しません。
遅れたあとに連絡を断つと何が起きるかは、ソフト闇金のケースで別の記事に詳しく書いています。相手の動き方は、掲示板の個人間融資でもほぼ同じです。

状況別:すでに渡してしまったものへの対処
| 渡してしまったもの | まずやること | 相談先 |
|---|---|---|
| 保証金・手数料を払った(振込・電子マネー) | 振込の明細、電子マネーの購入記録やカード番号の控え、相手のアカウント名とやり取りを保存。追加の支払いには応じない | 警察(#9110)、消費者ホットライン(188) |
| 身分証の画像・自撮りを送った | 何を送ったかを書き出す。その身分証を使った覚えのない契約の連絡が来ないか気をつける | 警察(#9110)、日本貸金業協会(0570-051-051) |
| 下着姿や裸の写真を送った、さらすと言われた | 相手のアカウント、送った日時、脅しの文面を保存。要求に応じて追加の写真やお金を送らない | 警察(#9110、身の危険があれば110)。弁護士 |
| 勤務先・家族の連絡先を教えた | 連絡が来たときに備えて、誰に、どう伝えるかを専門家と相談する | 弁護士・司法書士、法テラス |
| 口座の情報、通帳、キャッシュカード、スマホを渡した | すぐに銀行やカード会社、携帯電話会社に連絡して止める | 警察(#9110)、弁護士 |
| 頼んでいないお金が振り込まれた | 使わない。自分の判断で相手に送り返さない | 警察(#9110)、弁護士・司法書士 |
性的な写真をネットにさらすことは、リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)3条で処罰の対象になっています。撮影された人を特定できる形で不特定または多数の人に提供した場合、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(2026年11月8日にe-Gov法令検索で確認)。この罪は告訴がないと起訴できない決まりなので、どう動くかは警察や弁護士と相談してください。どの法律が当てはまるかは、写真の内容や相手とのやり取りによって変わります。
写真のことは、誰にも言いたくないと思います。ですが、相手が一番当てにしているのが、あなたのその気持ちです。警察の相談窓口は、こうした相談を受けることに慣れています。
借りてしまった人が今日からやること
逃げ方ではなく、公的に終わらせる手順を書きます。
| 順番 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 記録を消さない:掲示板の書き込み、DMやLINEのトーク、相手のアカウント名、振込先の口座番号、振込明細 | 相手を特定し、口座を止めるための材料になる。消してしまうと、相手だけが得をする |
| 2 | 別の個人間融資やSNSの融資で穴埋めしない | 「まだ借りる人」として、別の相手にも声をかけられ続ける |
| 3 | 弁護士・司法書士に相談する。費用が心配なら法テラス(0570-078374)へ | 専門家が入ると、相手にとって取り立てを続けることが割に合わなくなる |
| 4 | 脅し、職場や家族への連絡、写真をさらすと言われたら警察へ | 脅迫や取り立ての規制違反は、刑事事件として扱われうる |
| 5 | 他にも借金があるなら、債務整理も一緒に相談する | 掲示板に来る前に、正規の借入れで行き詰まっていることが多い。そこが残ると、また同じ書き込みを探すことになる |
「法外な利息だから返さなくていい」という話を目にすることがあると思います。法律上の根拠はありますが、どこまで当てはまるかは利率ややり取りによって変わります。そして、法律上どうかということと、相手が嫌がらせをやめるかどうかは、別の話です。自分ひとりで判断して連絡を断つのではなく、専門家を通してください。
相談先の一覧(電話番号は2026年11月8日に各公式サイト・公的資料で確認)
| 相談先 | 電話 | 受付 | こんなときに |
|---|---|---|---|
| 警察相談専用電話 | #9110 | 各都道府県警察の相談窓口につながる | 脅されている、写真や身分証をさらすと言われた、保証金をだまし取られた、口座やスマホを渡してしまった |
| 警察(緊急) | 110 | 24時間 | 家に来た、会うよう強要されている、身の危険を感じる |
| 法テラス・サポートダイヤル | 0570-078374 | 平日9時〜21時、土曜9時〜17時 | 弁護士・司法書士にどう頼めばいいか分からない、費用が心配 |
| 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター | 0570-051-051(IP電話からは03-5739-3861) | 9時〜17時(土日祝・年末年始を除く) | 相手が登録業者か確かめたい、債務整理の方法を知りたい |
| 消費者ホットライン | 188 | 最寄りの消費生活相談窓口を案内 | 保証金・手数料を払ってしまった、どこに相談すればいいか分からない |
| 金融庁 金融サービス利用者相談室 | 0570-016811(IP電話からは03-5251-6811) | 平日10時〜17時 | 相談先を整理したい、業者の情報を提供したい |
弁護士・司法書士に相談するときは、闇金や個人間融資の対応を扱っているかを最初に確認してください。司法書士は扱える金額や手続に制限があるので、ご自身のケースが対象になるかも最初に聞いておくと話が早く進みます。
掲示板に行く前に確かめてほしい、正規の道
掲示板を探しているのは、正規の業者に断られたからだと思います。貸す側の目で見ると、断られたことには意味があります。正規の業者は、回収にかかるコストが利息を上回りそうな相手には貸しません。そこで断られたということは、今の収入や借入れの状況で、これ以上借りると返しきれない可能性が高い、という判定でもあります。その判定を無視して貸してくれる相手は、返ってこない分を別の形で取る相手です。
| 状況 | 確認する先 |
|---|---|
| 生活費が一時的に足りない | お住まいの市区町村の社会福祉協議会。生活福祉資金貸付制度の「緊急小口資金」は、緊急かつ一時的に生計の維持が難しくなった場合の貸付けで、10万円以内・無利子・保証人不要です(厚生労働省の貸付条件一覧より。返せる見込みがあるかも審査されます) |
| 今の借金の返済で行き詰まっている | 弁護士・司法書士、法テラス、日本貸金業協会に債務整理(任意整理・個人再生・自己破産など)を相談 |
| お金のことを含めて生活全体が苦しい | お住まいの自治体の自立相談支援窓口(金融庁の個人間融資のチラシでも案内されています) |
| 借りようとしている相手が登録業者か確かめたい | 金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」で、名前・登録番号・所在地が一致するか |
| 正規で借りると、利息が実際いくらになるか知りたい | 正規の上限は年15〜20%。金額別の利息は下の記事で計算しています |

政府広報オンラインも、生活資金に困ったときは最寄りの社会福祉協議会に相談するよう案内しています。社会福祉協議会の貸付けは審査や手続に時間がかかることがあります。掲示板を開く前に、まず電話をしてください。
よくある質問
掲示板に「貸してください」と書き込んだだけです。もう危ないですか
書き込んだだけなら、まだ何も渡していません。書き込みを削除し、返事が来ても応じなければ、それ以上は進みません。電話番号やLINEのIDを書き込みに載せてしまった場合は、しばらく知らない相手から連絡が来ることがあります。応じずに、しつこいようなら警察(#9110)に相談してください。
相手は「本当に個人だから大丈夫」と言っています
金融庁の説明では、個人であっても反復継続する意思で貸せば貸金業に当たり、登録が必要です。本当に個人かどうかは、借りる側には確かめようがありません。確かめられるのは、登録があるかどうかだけです。登録貸金業者情報検索サービスに載っていない相手から借りる理由はありません。
少額なら大丈夫ではありませんか
政府広報オンラインは、こうした取引の金額は数万円などの小口が多いと考えられる一方で、繰り返し使ううちに返済額があっという間に膨れ上がり、返済のために別の違法な貸付けを使う悪循環に陥るおそれがあると書いています。少額かどうかより、相手が登録業者かどうかで判断してください。
写真を送れば利息はいらないと言われました
政府広報オンラインと国民生活センターが、まさにこの形を被害の型として挙げています。国民生活センターの事例では、写真を送ったあとに融資は受けられず、連絡も途絶えています。送らないでください。すでに送ってしまったなら、上の「状況別」の表を見て、警察に相談してください。
借りたお金を返さないと、私が詐欺で訴えられると言われました
無登録で、法外な利息で貸している相手が、自分から裁判所や警察に出ていけば、自分の違法な商売を差し出すことになります。闇金が裁判を使いにくいのはこのためです。「訴える」「警察に言う」は、払わせるための言葉として使われることが多い、ということは知っておいてください。そのうえで、あなたのケースで何が起きうるかは、弁護士・司法書士に確認してください。
もう二度と借りないようにしたいです
日本貸金業協会の「貸付自粛制度」は、本人が申告すると、その情報が信用情報機関に登録され、登録業者が照会したときに提供される仕組みです(登録期間は5年以内、登録から3か月は撤回できません)。協会自身も、照会の状況によっては必ず貸付けが止まるとは限らないと説明しています。登録業者からの借入れを止める仕組みなので、掲示板の相手には効きません。借りない理由をひとつ増やす手段として考えてください。
最後に
掲示板の「個人」は、法律上は登録が必要な貸金業者で、商売の上では、貸し倒れの損を利息か、保証金か、写真か、口座で取り返す相手です。相手の都合が分かれば、次の要求は読めます。そして、相手の武器はほとんどが、あなたが一人で抱え込むことを前提にしています。
今日やることは三つです。何も送らない、払わない、会わない。もう連絡してしまったなら、記録を消さずに残す。そのうえで、法テラスか弁護士・司法書士、脅されているなら警察に電話する。
この記事の法令・統計・事例は、2026年11月8日時点で公的機関の資料から確認したものです。法律は改正されることがあり、個別の事情によって取れる手段も変わります。具体的な判断は、必ず弁護士・司法書士などの専門家に確認してください。
【参考資料】
金融庁「SNS等を利用した『個人間融資』にご注意ください!」、個人間融資注意喚起ポスター・チラシ
政府広報オンライン「新たな手口のヤミ金融に注意!『#個人間融資』『後払い(ツケ払い)現金化』『先払い買取現金化』」(2025年11月13日)
独立行政法人国民生活センター「SNSなどを通じた『個人間融資』で見知らぬ相手から借入れをするのはやめましょう!」(令和元年6月14日)
日本貸金業協会「【注意喚起】悪質な金融業者にご注意!」「貸付自粛制度」
警察庁「ヤミ金融事犯の検挙状況」(令和5年6月、令和7年10月)
厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」
e-Gov法令検索:貸金業法(2条・11条・47条・47条の3)、犯罪による収益の移転防止に関する法律、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(3条)
法テラス公式サイト


